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　現代社会において子どもたちは様々な困難を抱えています。ご存じのように、学校教育ではいじめ、不登校、不良行為があります。学習面では学力不足、中途退学があり、発達障害や学習障害、また運動能力の未発達などが指摘されています。家庭では、ひとり親家庭などにおける貧困、虐待やネグレクトなども少なくありません。日本は社会的には少子高齢化社会が進展し、世界的には第四次産業革命と呼ばれる状況の中で、たまたまコロナ禍が生じ、その影響もあって働き方や社会的な諸制度や生き方、家族関係は否応なく大きな変化が求められるものと思われます。 　

　当時代的・社会的な大波は誰にとっても共通のものですが、個々のケースでは経済格差や家庭の事情によって複合的に子どもを苦しませている状況があるのも事実です。例えば、経済的な困難や障害は学力不足につながり、それが不登校や中途退学をもたらして学力・学歴不足となり、格差の拡大が次世代に繋がります。私たちはこれまで、例えば一つの不良行為の背景にこうした連鎖があることをいやというほど見て参りました。そして、彼ら彼女らが大人になったときに「きちんと学校に行っておけば良かった」「やり直せるならやり直したい」と語る声を聞いてきました。こうした「困難」は多様で包括的なサポート、なかんずく教育の面でのサポートが一層求められていると思われます。